Racing ModelsのコパスカーF5Aです。
コパスカーF5Aは1978年のモデル。コパスカーは1975年にエマーソン・フィッティパルディの兄ウイルソンが作ったブラジル初のF1レーシングチームです。スポンサー名を取って、コパスカーと表記されていました。
チーム設立に当たって、1972年と74年にワールドチャンピオンを獲得した弟をドライバーに据えたのですが、ここまでは鳴かず飛ばずでした。コンスト ラクターズランキングを見ても、75年は無得点、76年は11位、77年は9位。そして迎えた1978年にこのF5Aを送り込んだわけです。
オートスポーツ1978年2-15号では見事表紙も飾っています。
ベールを脱いだニュー・コパスカー、すなわちF5Aはロータスそっくり、さながら“黄色いロータス”というところである。
ボディ・ワークはこれまでのイメージを一変させる。ロータス/フェラーリを追随したフル・ワイド・ボディを採用。フロント・サイド・ラジエーターのエア・フローを十分考慮し、なおかつボディ上面のエアをスムーズにリア・ウイングまで導くために両サイドにフィン形状を付けるなど、最新のデザイン・ポリシーを貫いている。
このF5Aはこれまでよりずっと洗練され、戦闘力も向上し、E.フッティパルディがトップ・クラスに返り咲くのも夢ではなさそうである。
オートスポーツ1978年3-15号にもF5Aの記事が載っています。アルゼンチンGPの「最新パドック情報」という記事です。
コパスカーは昨シーズンのカナダを最後に姿を消していたが、大改造を施してアルゼンチンに現れた。ラジエーターはロータスのようにモノコックの両サイドにマウントし、その全体はFRPのポンツーンとなっているが、ウイング形状ではない。
ウイング形状ではない、というのがいいですねえ。まだ前年に登場したロータス78の分析ができていかなったということでしょうか。
ただ『F1全史 1976-1980』にはマシンについてこう書かれています。
F5(デイブ・ボードウィン設計)をグラウンドエフェクトカーに改良したF5A(ジャコモ・カリーカ率いるフライスタジオが設計担当)で参戦。
グラウンドエフェクトカーということは、当然両サイドがウイング構造になっているはず。どちらが正しいのか。たぶん後年に書かれたものなんでしょうね。もしくは最初はウイング構造ではなかったけれど、途中で改良されたとか。
結局、この年のコパスカーはコンストラクターズランキングで7位と、これまでよりはいい成績を上げるのですが、ドライバーズは9位どまり。残念ながらフッティパルディがトップ・クラスに返り咲くところまではいきませんでした。
今回のモデルですが、1978年のベルギーGP。この年の第6戦です。このレースでフッティパルディは0周でリタイアしているんですが、なぜそんなマシンをモデル化するのでしょうか(笑)。ちなみにリタイアした理由は、エンサインのジャッキー・イクスに後ろから追突されてリア・サスペンションを破損したためらしいです。
第11戦のドイツGPと、次のオーストラリアGPで4位に入っているのですから、そっちでモデル化した方がいいと思うのですが、こういうメーカーの事情って、門外漢なのでまったく分からないんですよねえ。