2012年6月12日火曜日
フェラーリ312T4/ジル・ビルヌーブ/1979/マテル
マテルのビルヌーブ・シリーズのうちの1つ、1979年のフェラーリ312T4です。5481円。ネット通販で買ったので、プラス送料ですね。
YAXON版312T4の ところでも書きましたが、1979年、この年のフェラーリはコンストラクターズランキング1位。ジョディ・シェクターとビルヌーブはドライバーズランキン グで1位と2位を独占します。312T4は、そのデザインから「醜いアヒルの子」と言われていたそうですが、個人的には嫌いなマシンではありません。
今回のモデルになったマシンは1979年の南アフリカGP。312T4が実戦に投入された最初のレースです。ここでビルヌーブは、エースドライバーのシェクターを2位に抑え、優勝しています。
レース自体はかなり盛り上がったようです。予選はターボエンジンのルノーが初ポールポジション。シェクターが2位でビルヌーブは3位です。2週目にフェラーリ勢がトップを独占したところで土砂降りとなりレースが中断します。
再スタートの時、シェクターがスリックタイヤ、ビルヌーブはウエットタイヤを選択。ビルヌーブがトップに立ちますが、すぐに雨は上がり、コースが乾いてい きます。ビルヌーブがタイヤ交換にピットインしたところで、シェクターが1位に。タイヤを交換したビルヌーブがシェクターを追う立場になります。
以下はオートスポーツ1979年5-1号より。
「30周めの時点で、2台の“フライング・フェラーリ”は3番手以下に1分の差をつけての快走である。しかし、この2台の争いはシリアスで緊張した ものだった。ビルヌーブは一周ごとにトップのシェクターの背後にジリジリと迫り、シェクターのほうは、序盤でタイヤを激しく使ったため、そのツケが回って きていたのだ。」
50周め、ホイールをロックさせたシェクターがピットイン。ビルヌーブがトップに立ちます。
「コースに戻ったシェクターは、フィニッシュするまでそれは激しいドライビングでビルヌーブを追い上げる。タイヤをいたわりながら走るビルヌーブと の差が1周ごとに縮まり、観客は周回ごとに興奮の度を高めていった。しかし、ビルヌーブとすれば、これは計算された走行だったのだ。」
そしてビルヌーブはシェクターに4秒の差をつけて首位でチェッカーを受けます。
レポートは以下のようにまとめられています。
「フェラーリ・チームにとって、ニュー・マシンでの改心の勝利であったといえよう。ビルヌーブのトラブルといえば、フィニッシュした後、車から降りるときに足首をひねったことぐらいだった。この時、ビルヌーブはいった『いや、レースって危険だね』と。」
ビルヌーブの312T4はこの号の表紙も飾っています。