以前、マテルからビルヌーブが乗っていたフェラーリがまとめて発売されたのですが、これもその1台ですね。
1978年のカナダGPでジル・ビルヌーブがドライブしたモデルです。カナダGPはこの年の最終戦。ビルヌーブはここでF1初優勝を遂げます。
レースはポールポジションからスタートした、ロータス79のJ.P.ジャリエが独走。2位に30秒以上の差をつけますが、49周でリタイアしてしまいます。代わりにトップに立ったビルヌーブが70周を完走し、そのままチェッカフラッグを受けるという展開でした。
オートスポーツの1978年12-15号にカナダGPのレポートより。
「地元カナダでグランプリの初優勝をとげたビルヌーブは『思ったよりずっと楽な勝利だった』と語っており、これで自信をつけ、来シーズンは大きく飛躍することが考えられる。」
2位に入ったのはウルフWR6のジョディ・シェクター。ビルヌーブはカナダ人ですし、ウルフはカナダのチーム。このGPはカナダの人たちにとってたまらないレースだったでしょうね。
ちなみにビルヌーブとシェクターはちょっとした因縁(?)が。
「このレースで2位になったシェクターは、来シーズンはNo.1ドライバーとしてフェラーリにはいることになっており、このふたりにとってはカナダ・グランプリの順位は皮肉な結果だった」
そしてフェラーリは、翌79年、ドライバーズランキングの1位、2位を独占することになります。
12-15号の表紙はマクラーレンM28でした。
拡大してもらえばわかるかもしれませんが、見出しにある「F-1の若手4人組がなぐり込み」の4人組とは「ジャコメリ、パトレーゼ、ピローニ、アルヌー」。この段階ではF2のチャンピオンだったブルーノ・ジャコメリが1番手だったんですね。F1では、ジャコメリだけが優勝していないのですが。
加えるならこの78年、ネルソン・ピケットとケケ・ロズベルグという2人の世界チャンピオンがF1にデビューしています。世代交代前夜ですね。